発売後2年、まだ根強い人気か「明日君」(MAD動画)
いや、もちろん今でも管理人的には相当上位のタイトルですがね。
で、これはけっこう良くできている。歌はあまり好みではないけれど・・・
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「メモリア」(Purple Software)コンプリート。北海道出身の管理人が好む「雪の降る町が舞台の冬ゲー」である。12月上旬からあれだけ根雪になっているところだと相当寒いと思うのだが、やっぱりなぜかほとんどのキャストは薄着である。(以下、結構なネタバレがあると思います。嫌いな方はお戻りください)

メインヒロインの5人。他にアイカや由佳里さんなど攻略不可能で魅力的なサブキャラも多し
話の設定は「異世界交流+平行世界(多元宇宙)」という、いわばSFものと言えるかもしれない。ストーリーの中に平行世界というワードはほとんど出てこないが、それが背景にあると思えば理解しやすい。つまり、1周目+全キャラ攻略後にあらわれる「memoria」ルート(=一体でハルナルート)が中心世界でそれ以外のキャラ攻略が平行世界という解釈が妥当だろう。細かい部分で設定を生かし切れていないと思う場面もないではないが、全体としてはうまくまとまっていたのではないかと思う。
異世界はエステリア・動物界ということだが、この設定にはあまり意味はない。ネコ耳属性がある人にはいいのかもしれないが、話の主題とはあまり関係はない。また、管理人はツンデレ属性がない、というより苦手なので、共通ルートの智枝はなかなかにしんどかったと言っておこう。

ハルナと宏一(主人公)。主人公の「顔出しCG」が比較的多いゲームだ
このゲーム、とにかく音楽がイイ。「明日君」や「秋色」でも感じたが、このブランドは音楽が良い。なぜかスタッフロールには音楽を統括する個人名がないので誰が作曲しているのか不明だが、特に「エステリア」は過去プレイしたゲーム中のBGMのなかでも3本の指に入るくらいだ。「ABYSS」も劇伴音楽として個人的に高く評価している「明日君」の「moreモア」に相当するレベルであり、前半の共通ルートで良く見られたズッコケ場面の「a HAPPY DAYS」への切り替えが頻繁すぎることを除けば概ね良くできている。
・フォルゼン氏はなぜアステリア人が嫌いなのか?
・エステリア人であるシャール先生になぜ耳がない(尻尾は本編中で「ある」ことになっている)のか?
・ユウキルート以外の世界ではあのゲート作ったのは誰か?
・・・など、消化しきれていない伏線・設定はいくつかあると思うが、ルート個別の話の中では大きな矛盾はない。CGは「アリサの教室で弁当を食べるシーン」をはじめバランスがおかしい画も少なくなく、テキストも誤字脱字が“ものすごく”多いが、そう目くじらを立てることもあるまい。管理人としては今年プレイしたゲーム(十数タイトル)の中では相当上位に挙げられるタイトルだった。
唯一、管理人的に最大の謎は「主人公は結局ループに入る前はどこの誰で、何歳だったの?」ということかもしれない。ま、男キャラなどどうでもいいのかもしれないが(笑)
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「そして明日の世界より――」(etude・2007)コンプリート。島が舞台、世界の終末、隣に住む幼馴染み、美貌の転校生という、ある意味王道な要素をこれでもかと詰め込んだストーリーになっている。(以下、いくつかネタバレを含みますので、お嫌いな方は別ページへ飛んでください)
朝陽(左端)の髪の三つ編みはどう考えても不要だ。なんとかならなかったのだろうか・・・
あらかじめ健速乙(笑)
巷で「名作」の評判通り、いろいろ考えさせられることの多かったシナリオだが、管理人的には特に「親としての視点」で気になることが多かった。あと3ヶ月で死が避けられない状況になった時のこと、0.03%の確率で助かるかもしれない人間が選出されるとわかった時のこと、自分の子供がそれに選ばれた時のこと、最愛の娘がその選んだ男と関係を持ったと聞かされた時のこと・・・。ノーマルEDと夕陽ED以外では両親の心情はほとんど語られないが、「シェルターに入るかどうかはおまえが決めなさい」と言えるかどうか、「お祝いだ!」と言えるかどうか残念ながらあまり自信はない。
親父の背中は大きい。管理人はもうすぐ長男に身長を追い越される予定
シェルターというものは戦中の防空壕やイラクのアメリア・シェルターの例にもあるとおり、その中で危機的な状況になると外の世界より悲惨だ。実際、アフターシナリオでも半分のシェルターは防水上の問題、酸素供給の問題、食物の問題などにより壊滅したことになっており、その凄惨な状況は想像に難くない。まあ、自分が当たったら絶対に行かないだろうが、自分の子供が当たった場合にそういう選択をさせられるかどうかは別な問題だ。
「特にアフターがいい」という意見が多かったので期待しすぎたのかもしれないが、管理人的にはアフターシナリオは合わなかったと言っていい。主人公をはじめとする登場人物は「ただただ大事な人、場所、時間を守りたかった」のであって、それを別に後世に残したかったわけではあるまい。なぜあのような大がかりな仕掛けをもって(35年以上もどうやって電源を確保したのかなど)いわばタイムカプセルを仕込んだのか、そのあたりに意志の連続性がないような気がする。ちょっと違和感のあるラストに感じたのが残念だ。
青葉だけCGも回想もほかの3人より少ないのはいささか不公平感あり。なんでかなぁ
ヒロインの一人、青葉役である青山ゆかりの演技は迫真だ。声質はどちらかというとそれほど好きなタイプではないのだが、特に個別ルートに入ってだんだん壊れていく青葉の心理描写は「うまい」の一言に尽きる。ラムネのひかり役、うな天のエリン役のときはさほど印象がなかったが、本作とAsterの沙希役は凄みが出て良いアクトだと思う。
音楽もOP「For our days」をはじめとして良い曲が多い。BGMの多くがなんとなく野見祐二の書いたジブリの「耳をすませば」に雰囲気が似ていると思うのは管理人だけだろうか。
CGはまずまず。最大の難点は名作であるが故に手に入りにくくなっていることくらいか。このブランドの次回作にも期待したい。
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「るいは智を呼ぶ(暁WORKS)」コンプリート。どうやら好き嫌いがはっきり分かれるらしいが、管理人的にはなかなか楽しめたタイトルだ。

主人公+5人のヒロイン。なぜかるいだけ後ろ向き。この並びはやはり花鶏がメインヒロインなのか?
「処女はお姉さまに恋してる」と同様、女装の麗人(笑)である主人公を中心に物語が進むという話なのだが、「なぜ女装しなければならないか」という背景はこちらの主人公(智)の方が深刻だ。何せリアルに「命がかかっている」設定だからだ。その代わり、男としてのアイデンティティに悩むシーンは薄いかもしれない。ただ主人公は、最初から最後まで一人称「僕」をはじめとする男言葉で通すのだが、その必然性は最後に至っても解説がなく、また周りからも、茜子から「怪奇ボク女」と呼ばれる以外、一切のツッコミがないのはあまりにも不自然だろうとは思う。
伏線の回収や「謎」の設定などで消化不良の部分があるのは否めないが、ミステリーとしてのエンタテインメント性は高く、引き込まれるシナリオだ。序盤の台詞の言い回しに拒絶反応を起こす向きもあるようだが、管理人は特に違和感はなかった。購入するかどうかは体験版で得た印象通りに判断すればいいだろう。また攻略順は最初のるいと最後の茜子が固定だが、巷の評価通り、るい→花鶏→こより→伊代→茜子の順序が事実上筋が通っている唯一の順序だと思う。
主人公の萌え要素が最も強い作りだけに、残念ながら深く思い入れたヒロインはいなかったが、「佐知子ルートがないのはバグ?」とだけ言っておこう。

Eベースを弾くるい。ちょっとだけネックが短くてバランスが取れていないと思う
登場人物全員が違う学園生という設定なので衣装もみんな違うが、登場人物の着こなしがみなきちっとしていることには好感が持てる。まあ、この手のゲームの登場人物で、現実にいるようなだらしなく制服を着崩した着方をしたヒロインというのはあまり見たことがないが、このタイトルの主題が「(悪い意味での)「大人」のアンチテーゼとしての「子供」性(幼児性ではない)」であり、それを表現するためのファッションという見方もできるのかもしれない。裏の世界で生きるにはあまりにも可愛らしすぎる格好(プリーツのミニスカなんて穿くかね?)の尹央輝がいるのもその傍証と言えるだろう。
管弦楽の構成を多用したBGMも秀逸だ。特に冒頭に流れるその名も「開幕」はクラシックの一節かと思わせる造りで興味深い。さらに主題曲「絆」とOPムービーもいい出来で、起動のたびに(一度OPを見るとその次の起動から現れるようになる)出てきても飛ばすことなく見てしまう。AIR(Key)の「鳥の歌」以来かもしれない。
謎解き要素が強いだけにネタバレを回避して感想を書くのは至難の業なのでこの辺にしておくが、体験版をやってみて気に入ったのであればお勧めだ。体験版だけでもプレイ時間は3時間程度のボリュームがあり、納得感は高いだろう。
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片岡とも氏が主宰するサークル「ステージなな」が制作する「ナルキッソス」「ナルキッソス side 2nd」(以下総称してナルキ)は極めて質の高い同人PCソフトだ。同人といっても、商業ベースで制作していないというだけで、スタッフはみなさんプロだけに作りは本物である。にもかかわらず、ステージななのサイトから、なんとも太っ腹に無料でダウンロード可能だ。
エロなし、選択肢なし、ムービーなし(side2ndにはある)の全くのビジュアルノベルというものだが、テーマが重い。「病は治る見込みなし、余命幾許もない。そのとき何を考え、どう行動するか」という、最適解のない主題が淡々と綴られていく。

こちらは「ナルキッソス side 2nd」のタイトル画面。絵師が違うのでヒロインもある意味「別人」だ
管理人はPC18を中心としたゲームコンテンツの傾向を批判するつもりはないし、それが存在すること自体は日本のコンテンツ界にとって好ましいことだと思っている。しかしこのナルキのような、旧来メディアで展開されてきたいわば「普通の」コンテンツは少ないのが実情だ。このことが、「一般人の」(笑)PCソフトに対する偏見や蔑視につながっているような気がする。

「それは・・・いつか必要になるってこと?」「さあ、あなた次第かもね」
PCゲーム(ノベル)がDVDや書籍を買うように、ごく普通に手に取れるメディアとなるためには、もう少しコンテンツの拡大が必要だ。エロと萌えしか見つからないのであれば、それにもっと適合する他のメディアが開発された場合には、このPCソフトという分野は衰退するしかないと思う。もちろん、「そんなものは売れねーよ」という判断があるからこその現在の姿なのだろうし、Keyの「リトルバスターズ!」にしても、エロを追加した「エクスタシー」のほうが支持されているのはある意味、ユーザーサイドの責任と言えるのだろうが。

「元気だった頃の、恋人との想い出」ではない。どういうシーンかはやってみてください
(以下ネタバレかもです)
ヒロイン「セツミ(瀬津美)」は、13歳のときから入退院を繰り返し22歳で命を失う、そんな人生を歩む。読み手としては主人公とヒロインの視点で感情移入するのが普通なのであろうが、管理人はちょっと別なことを考えてしまった。つまり、「余命幾許もない不治の病に冒された娘を持った親としてどう行動すべきか」ということである。
父親は医療費の負担と娘の通院に利するために家を売り、職場まで2時間以上かかるアパートに引っ越す。専業主婦だった母親はパートに出るようになる。その「すべては娘のために」という両親の行動が娘にとっては重荷で、最後には「7階(病院)で死ぬのはいや。家はもっといや」という考えに至ってしまう。
親ならそう行動して当然だと言うつもりは全くないが、管理人が同じ立場ならやはり同じ行動を取ってしまうだろう。できるものなら娘と入れ替わりたい、できないのならせめて生きている間はつらくないように過ごしてほしい。病気に比べたら長時間の通勤なぞ何の問題もないし、家も執着するようなものではない。パートに出ている母親も同様だろう。
それが死にゆくものとしては耐え難い。残されるものにはもどかしい。そんな最適解のない、行き場のない感情がドラマを作っていく。

「ナルキッソス side 2nd」の姫子さん。こういう大きな髪のリボンはあまり現実には見ませんね
こういう内容のソフトが増えてほしいとは思うが、管理人はこの片岡とも氏のシナリオとはどうも相性が悪いようだ。「銀色」「朱」もプレイ済みで、悪くはないと思うが、絶賛されるほどいいとも思えないのが正直な感想である。ただ、PCゲームの世界にも、こういうまともなコンテンツが存在するということを知るだけでも、プレイの価値ありである。万人に勧められるものではないが、PCゲームに偏見(笑)をお持ちの読者のみなさんには、ぜひ「だまされた」と思ってプレイしてみてほしい。タダだし。
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前記事を書いた時に書き漏れたのだが、「ラムネ」のインストールの際に「setup.exe」にトロイの木馬「Trojan Horse」が検出されていた。
管理人は「会社のメールサーバーにアクセスする自宅のPCにはウィルス対策ソフトを入れろ!タダでライセンスを使わせてやるから」という会社のありがたい方針に従い(笑)、配布された「Symantec AntiVirus Corporate Edition(SAV)」をすべてのWindowsOSに使用させてもらっている。それが先日、Windows7にラムネをインストールしようとした際に検出されたということである。しかしシマンテックのサイトを見ても「影響度・被害度・ダメージレベル・感染力ともに低」だったし、SAVの処理も「放置」だったのでそのままになっていたものだ。
管理人は起動時のLiveUpdateがいらつきの原因になるので、基本的に定期的なウィルス定義ソフトは週一(金曜の夜)の更新だが、気が向いたり、新しくアプリをインストールしたりする時だけ、任意で定義ファイルを更新している。今回も習慣に従って2/8に更新したファイルで検出されている。
定時スキャンも今まで週一(こちらは土曜の夜)やっていたが、検出されたことがないので「WindowsVista版の検出エンジンが違うからか?」と思い、XP上でスキャンしたところ検出されず。あららと思って定義ファイルを見ると2/6付だったので、定義ファイルを2/13付のものにアップデートし、再スキャンすると今度は検知された。

処理は「検疫」になっているが、元ファイルは隔離されていない。
どうやら2/7~2/8に更新された定義ファイルから検知されてしまうようになったようだ。でもウィルスそのものの発見日は2004/2/19。うーむ。
トロイの木馬なので本来独立プログラム(寄生ではないという意味)であるはずだが、このsetup.exeは本来のインストーラに間違いなく、そういう意味では誤検出といって差し支えないだろう。富士通の製品でも誤検出されたという例もある。ねこねこも活動再開したようだし、ぜひシマンテックにクレームでも入れて定義ファイルの更新をしてもらいたいものだ。
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大切な人との幸せが絶頂にある時ほど、その大切な人を失った衝撃や悲しみは大きい、というある意味ベタな展開である「Aster」(Rusk、2007)をコンプリート。
このゲームはプロローグ、4組のカップルの個別シナリオが2部構成、エピローグという4段階に分かれた流れになっている。また、選択肢の一切ない、ゲームではなくビジュアルノベルという位置づけのものである。
結論から言おう。はっきり言って「沙希シナリオ」以外の個別ルートはいらないんじゃないか。残念ながら沙希ルート以外のルートを終了しないと沙希ルートが現れないのでやるしかないのだが、百歩譲っても雛ルート以外の存在の必然性が感じられないのだ。

「何が・・・何がわかるのよ!」(沙希) 本作品中最大の名場面
この話は非常に甘々でかつ長いプロローグの最後に、交通事故によって沙耶が死んだところから始まる。死んだ沙耶とその恋人であった主人公の悲哀だけではなく、そこに巻き込まれた重傷者、やはり死んでしまった加害者の家族、事故のきっかけを作ることになってしまった者、という人間模様に着目してシナリオを構成しようとした点は優れていると思うし、Ruskのお得意である「カップリング固定=複数の主人公」という考え方にも合致していると思う。ただ、残念ながらそのことによって、本筋であるべきルート、すなわち沙希ルートの掘り下げが甘くなったのではないかと感じてしまうのだ。
むしろ、主人公が沙希との生活を選んでからの話、例えば何かの拍子にフラッシュバックする沙耶の記憶で悩む沙希とか、二人の間に双子の女の子が生まれてくるとか、12月の流星雨が見られない本当の理由は何かとか、話の盛り上げ方はまだあったように思うだけに、ちょっと残念。
ただ現実的に考えると、この話である意味一番悲惨なのは雛とそれを取り巻く人々である。死は必ずしも一番悲しむべきものではない。むしろ生きながらえても、失明によって、死ぬまでリアルタイムで事故の存在と向き合っていなければならない雛の方が苦しいかもしれないのだ。そういう意味で雛ルートだけは残しておいても良いと思う。

雛。管理人が拒否反応を起こさなかった数少ないツインテールヒロイン(笑)
浅葉ゆうの絵はキレイだし、OPムービーも満足できるものだ。BGMはやや弱いような気もするがまあ普通レベル。全体としてはそこそこ、いやかなり良い出来なのだが、なんとなく「名作になり損ねた」感じが惜しい。

あぁ沙耶、どうして死んでしまったんでしょう。ある意味一番死んでほしくなかったキャラかも
ちなみにこの話は背景の設定が同梱されている以前の作品「君に恋して結ばれて」「カラフルBOX」を引き継いでおり、複雑きわまりない人間関係もそこから波及しているのだが、これからAsterをプレイしてみようという方は、事前にプレイしておく必要はあまりない。(管理人はカラフルBOXを既にギブアップしている) ただマニュアルの設定資料は良く読んだ方が良いだろう。
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※さすがに2週間も更新をサボると、アクセス数激減ですね。反省。
思いの外早期に値崩れしてしまった「水平線まで何マイル?(ABHAR)」、結局買ってみましたよ。
総合的な感想は「まあ、普通じゃない?」。ちょっとネット上では過小評価されすぎという感じはする。

なかなか個性的なヒロイン達。管理人の苦手とするツインテールとオーバーニーソックスがいないのが特に素晴らしい
攻略順は陽向→湖景→麻里矢→沙夜子→朋夏だったが、管理人的には正解だったようだ。いわゆる体育会系のノリを期待する向き(=LMG大会が盛り上がりのピークと期待する向き)には、朋夏ルート以外は全くやる価値はないかもしれない。ただ、管理人としてはこのゲームの主題は主人公および相手役となるヒロインの「成長物語」であり、LMGはあくまで手段でしかないと制作側では考えていたのではないかと思っている。そういう意味で、このゲームはやはり「若い人向きではない」と思う。教官のセリフを含め、あまりに作りが説教臭いからだ。
陽向ルートと湖景ルートはシナリオの構造がほとんど同じというのも減点対象かもしれない。なにも○○(ネタバレ回避)だからといって、そこまでプロットを合わせなくても良いだろうに、というのが正直なところだ。管理人が一番気に入ったシナリオは、意外にもさんざんあちこちで叩かれている沙夜子ルートだ。沙夜子ルートの後半(○○所(ネタバレ回避)でのお茶会以降)でのキャラクター作りは、登場人物の中で一番人間味が出ていて好感が持てる。前半および他のヒロインでの沙夜子はどうも「作られた」感があってなじめなかった分、そこにはまりこんだのかもしれない。
BGMもどうにも巷では評判が良くない。というより、「印象に残らない」という評価が多いようだが、これも管理人的には加点対象である。「劇伴音楽とは何か」ということをきっちり押さえ、出しゃばらず絵とシナリオをあくまでサポートする姿勢を見せた作曲はまさに「プロの仕事」ではないかと思うのだ。またBGMもただ流しっぱなしにせず、「BGMのない場面」を何度か取り入れたこともいい演出だった。
ただ、「宇宙科学会」は「これ何て野道(AIR)?」、「練習だぜ!」は「これ何てSTORYWRITER(エウレカセブン)?」状態だったし、出来が良いとは言え「翔る」「いつまでも」「独り」と、「白い翼」のアレンジバージョンとしか思えない曲がいくつもあったり(「泡沫」「駆ける」もモチーフは同じと思われる)したことは残念だったかもしれない。
ヒロインのテーマ曲については、陽向(陽のあたる場所)、沙夜子(南風)、麻里矢(Russian Cool)は明確だが、朋夏と湖景は今ひとつはっきりしない。メインヒロインである朋夏はともかくとして(BGM全体がテーマ曲とも言えるから)、湖景の扱いがこれではかわいそうではないか。「木漏れ日」というタイトルが名前的には一番だが、どうもそういう選曲にはなっていないようだ。うーん。
ボーカル曲は・・・・(無言)
ちなみに、管理人一番のお気に入り曲は「ステップ」である。誰も聞いちゃいないって?そりゃ失礼。
システムは「前の選択肢に戻る」がないのと、シナリオ回想モードの時に中途でやめようとするとタイトルに戻るしかないことがやや難。話題のワイド画面(16:9)だが、管理人の使用モニタはUXGA(4:3)なのでメリットは特になし。ただウィンドウモードで解像度が変更可能なのは良いと思う。
それぞれのシナリオはやや短いし、山場の設定も少ないように感じるので、新ブランドへの期待が大きかった分、余計に世間の評価が低くなっているのかもしれないが、今後にもやっぱり期待してみたい。
そうそう、発売元自らが「すまいる」なんて略称作っちゃダメですよん。こういうのは自然発生でなくちゃ。
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7月にWineのバージョンが1.0から1.1.4になっていたことを、日経Linux10月号を読むまで知らずにいた。不覚である。ただ、WineHQのダウンロードサイトへ行くと、あくまで安定版は1.0で、1.1.4は開発版という位置付けのようではある。
それでも、「動作する可能性が上がっている」とのことなので、バージョンアップを試みた。
Ubuntuの公式リポジトリのWineは1.0のままだったが、前回Wine1.0のインストールの際に、Wineのリポジトリが通るように既に設定してあるので、今度はローカルマシンのAPTソースのデータベースリスト更新を行う。具体的には端末に以下のコマンドを打ち込む(実際にはコピペで可)。
sudo wget http://wine.budgetdedicated.com/apt/sources.list.d/hardy.list -O /etc/apt/sources.list.d/winehq.list
rootのパスワードを打ち込んでenterする。この後、アップデート・マネージャを起動すると、Wineのアップデートがリストに表示されるので、「アップデートのインストール」ボタンを押して完了だ。アプリケーションメニューから「Wine」→「Configure Wine」を選択して「Wineについて」タブを開くと、バージョンが1.1.4になっているのが確認できる。(画像クリックで拡大)
で、動くアプリは増えたのか。
緻密に検証していないので何とも言えないというのが正直なところだが、1.0ではタイトル画面後に音が出なくなるという症状に見舞われた「水平線まで何マイル?(体験版)」が、やはりタイトル画面までのムービーは再生されないものの、スタートさせてからもきちんと音楽・ボイスともに出力されるようになった。おお、これでプレイが続行できると喜んだのも束の間、OPムービーへの画面遷移に失敗し、そこで強制終了。うーん微妙・・・。
検証作業への情熱が急激に冷めたので、ABHAR公式サイト上の「もぐら・あたっく!!」で気を取り直す。到達距離によりコメントが変わるのが面白いので、全部のコメントを出してみた。
上村がいるのに、何故か朋夏がいない・・・(パイロットだからか?でもこのミニゲームはプレイヤーがパイロットのはずだが)。 もしかしたら70,000m以上に到達できれば現れるのかもしれないが、管理人の実力では65,000mが精一杯だった。とりあえず60,000mまで距離を伸ばす管理人なりのコツは、速度を55km/h〜60km/hの間をキープすることと、バッテリーがなくなるタイミングでなるべく高い位置につけることだ。まあお試しあれ。
「水平線まで何マイル?」は絵がまず好みだし、体験版でのシナリオもそう悪くなかったので製品版を買おうかと考えていたが、意外とネット上での評判悪すぎ・・・。新品価格も発売から1カ月も経っていないのに既に5,000円のところも出てきた。最終的には買うのだろうが、もう少し「待ち」かな。
<2009/4/6補記>
70,000m超で朋夏が出てくることがネット上で明らかにされていたものの、全く到達できなかった管理人。先日しばらくぶりにやってみたらついに達成できたので、証拠画像をアップしておく。
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「明日の君と逢うために」(Purple Software 2007)コンプリート。管理人にとっては比較的新作のプレイであると同時に、「キャラ萌」を初めて感じたという非常にエポックメイキングな作品となった。
瑠璃子かわいいよ瑠璃子

画面キャプチャだとわからないが、波の動きや水面反射などの細かい演出がある
すべての感想はそこに集約され、他の部分はどうでもいいと思えるほどの破壊力だ。これだけで十分モトはとったという感じ。
微妙に表情が変わっているのにお気づきだろうか。しかもBGMはゆったりとした旋律があまりにも美しい「瞳を閉じて」。ああ、萌え死ぬ(笑)。
いろいろなレビューサイトでも書かれているように、立ち絵がよく動く。主人公の視点によって相手の位置関係が微妙に変わったり、歩いている時は上下に揺れたり、後ろ姿の立ち絵があったり・・・。歩いている時の背景ののズームや、波・電車のつり革や窓の外の風景などが動くことも相まって、プレイ中の演出の細かさは特筆ものだ。しかし、OPムービー、イベントCG、立ち絵でこれだけキャラクターの顔が違うのも珍しいと言えまいか。
シナリオはまあ、こんなもんでしょう。ただ、どのシナリオでも感じた「何でも一人で抱え込む=大事なことを大切な相手であるほど言わない=自分以外への不信」という主人公(修司)の性格付けが最後まで違和感として残ったのが残念だ。特に明日香シナリオにおける「最後の選択」では顕著で、ちょっと悶々としながらプレイしたのも事実だ。制作者の意図はそうでなかったのかもしれないが。
あと当初OPムービーとエンディングのスタッフロールの画面遷移が速すぎ、主題歌が途中でとぎれて終わるという不具合があったが、環境設定ツールで「パフォーマンスタイマー」のチェックを外したところ同期するようになった。この「環境設定ツール」の起動方法が取扱説明書にもreadmeにも、PurpleのWebサイトにもなく難儀したが、インストールフォルダの中にある「cmvsConfig.exe」という実行ファイルがそのツールだ。この辺は不親切と言えるだろう。
作中に出てくる電車。前面窓が違うがモデルは東武鉄道のデハ1形だろうか? どう見ても重連で運用できそうにないが、貫通扉はあるらしい
他にもHシーンが無駄に長いとか、解像度切り替えが面倒だとか、シナリオ回想がHシーンしかないとか、OPムービーの独自再生がないとか、七海真奈美が出ないとか(笑)細かい不満はいくつかあるが、とにかく「リコかわいいよリコ」だけで秀作認定して良いだろう。素晴らしい作品を世に送り出してくれたPurple Softwareに感謝。
※本日で本ブログも開設1周年を迎えました。これまでのアクセスにありがとう、そしてこれからもよろしく。
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プロモーションビデオの出来と、そのバックで流れる「ディアノイア」に惚れ込んで買ってしまった、「最終試験くじら(CIRCUS・2004)」。先日コンプリートしたので感想など。内輪ネタだが、タイトル名称が出るたびに職場の大ボスの顔が浮かび上がる(謎)。
空に浮かぶくじらとは結局いったい何だったのかとか、最終試験とは何を指しているのかとか、結局何を言いたかったのかとか、いろいろ不完全燃焼感が残ったゲームだ。感じたことはたくさんあるが、ヒロインの好み以外はこのページで書かれていることにほとんど同感なので、ぜひそっちをお読みください(ああ手抜き)。

「カメラ少女は眼鏡っ子」というのはマリみての武嶋蔦子からの影響だろうか
上の絵は榛原胡桃だが、このブログ的注目は肩から提げているレンジファインダー式のカメラだ。なんとこれはライカM6である。レンズは鏡筒の長さからみてズミルクス50mmF2であろうか。父親の遺品とのことだが、オートフォーカス・自動露出全盛のご時世、まあ高校生が持ち歩くカメラではあるまい。また当然手巻き上げ仕様だが、ゲーム中で鳴る効果音はモータードライブ付きというような感じで、連写もしてしまっているのはご愛敬か。
BGMはアレンジバリエーションも含めて49曲(おまけプログラムで聞けるのは48曲)もあったのに、好みにあったのは「ささやきの距離」「aquarium」「Sky Crawler」「風にそよぐ未来」「ディアノイア」の5曲のみというのも寂しい。音楽製作がランティスということで期待していたのだが、これもちょっと当てが外れたという感じ。
まあそれでも最後までコンプリートしたわけで、嫌いというほどでもないのだが、この手のゲームも10タイトルも買えば、一つくらい「ビミョー」と思うものもあってもいいかもしれない。
<おまけ>
ニコニコ動画にアップされていた「サリヤ人が歌ったディアノイア(m4aファイル)」。riyaが歌った本物より滑舌が良く聞きやすいかもしれない。(再生にはQuickTimeなどが必要です)
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「ラムネ」七海シナリオ・オマケその他終了。七海シナリオの話そのものはアニメ版のほうが好みかも。それにしても何てことはないシナリオなのだが、こういうのは非常に好きである。今回の管理人的ツボは「背景のこだわり」と「BGM」だ。
特に夏空の背景は青空だけで4種類、アングルは同じだが色遣いの違う夕焼けを含めると8種類にもなる。(画像クリックで拡大)
夏の太陽からゴーストが生じる描き方は別に珍しくはないが、よくよく考えると不思議な感じがする。肉眼で太陽を見てもゴーストは見えないからだ。つまり、この背景はレンズを通して見ている、ということを意味している。
ゴーストが出るとコントラストが一気に低下するので、写真の世界ではどちらかというと嫌われ者のゴーストだが、画の世界ではコントラストを低下させずに描くことができることから、強い太陽光線を表現する格好の小道具となるのだろう。最近の新しい一眼用のレンズではきっちりコーティングされているため、なかなかきれいにゴーストを出すことができないが、古いレンズやレンズにコストをあまりかけられないコンパクトカメラなどではある程度容易にゴーストを出すことができる。(残念ながら適当な作例がない)
繰り返し書くが、「ラムネ」のBGMは秀逸だ。メロディラインがはっきりしている曲が多いが、特にプレイ中にじゃまになるようなこともないし、それでいて音楽単体で聞いてもなかなかいい。管理人はスタート後すぐにかかる「スイカ90's」と「夏空86's」にやられた。「夜空87's」も泣ける曲だし、「星空75's」のヴァイオリンソロはムード満点である。また、オープニングムービーの影響で「渚74's」では多恵先輩がコンガを叩いているように脳内イメージされてしまうから不思議だ(笑)。
ゲームを進行するにつれて、「これは若い人向きではないのではないか?」と思うようになっていった。管理人のような中年が昔を懐かしむためのような感じがしてしょうがないのだ。トライアンフや家庭菜園、フォークダンスなどの小道具がそれを助長している。もちろんこれは管理人の個人的感想に過ぎないし、制作者の意図も違うところにあるかもしれない。しかし、「いい歳をしたオッサンがいまさら18禁PCゲームなんて」という人にこそ、導入としてはいいのではないかと思うのだ。製造元も解散しだんだん購入しにくくなっているようだが・・・残念。
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※10日以上更新をサボりました。申し訳ないです。
ねこねこソフトの「ラムネ」(2004年)をプレイ中である。アニメ版(2005年放映)の最終回を好む管理人としては、七海シナリオが当然最後だろ、ということで、ひかり→多恵→鈴夏の3人を終了したところである。PC版なので、PS2版とは異なり裕美・美空シナリオはなく、美空に至っては登場すらしない。

傘を差し出す鈴夏。アニメ版のキャラとは全く違う作りになっている
この物語は「普通の生活」によって進行する。そこには魔法もなければ奇跡も存在しない、ごくありふれた日常の出来事だけがゆっくりとしたテンポで流れていくのだ。こういう創られ方は逆にある意味新鮮ですらある。ご都合主義的部分としては、鈴夏シナリオで「(兄妹には)血縁関係がない」というとってつけたようなセリフを言わせていることくらいだろう。
ただ鈴夏のCVが神村ひなのため、直前に「処女はお姉さまに恋してる」をやった身としては「お姉さまが『お兄ちゃん』と言ってる」という脳内イメージも変な感じだったが・・・(笑)

後ろに乗るはひかり。かつて転倒したことはないものの、チキンハートな管理人としてはそれでも露出の多い服の若い娘をタンデムに乗せる勇気なし
管理人もかつては400ccライダーだったが、トライアンフには縁がなかったので、この描かれ方が正確かどうかは不明(ま、そんなことは重要ではない)。余談だが、現在のトライアンフのロケットⅢという車種は、2.25リットル(225ccではない)のエンジンで乾燥重量320kgもあるモンスターバイクらしいが、倒したら起こせるのだろうか・・・
このソフトの音楽もこれまたいい。北海道生まれの管理人でも「夏だなぁ」と感じられるような空気を醸しだし、内陸住まいの長い管理人でも「海だなぁ」と感じられる雰囲気を作り出している。音質もいままでプレイしたソフトの中で最高と感じられるし、「これホントに打ち込みか?」と思うくらい、楽器の扱いの臨場感もある。ギターの弦がフレットに当たる音とか、スネアへのスティックの当たり方とか。
また七海シナリオが終了したら追記することがあるかもしれない。
<とってつけたような追伸>
※ラムネには全く関係がないが、昨年12月の記事で書いた「管理人の欲しいもの」が、とうとう発売になるようだ。来月中にはアナウンスがあるらしい、というところまでは書いても大丈夫だろう・・・
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前記事とtakayan氏に送ったメール(文字化けする場合は文字エンコードを「日本語(ShiftJIS)」にしてください)が元で、こういうページが作成されたようだ。takayan氏に敬意を表して改めてゲームを第1話からやり直してみたため、更新が滞っていたことをお詫びしたい。
冒頭から恐縮だが、前記事の「主人公である瑞穂もプレイヤーにとって客体であり、映画やアニメのような受け取り方で鑑賞してしまうため」という部分は訂正せざるを得ない。再プレイではっきりと認識したが、管理人はプレイ中ずっと客体で瑞穂に接していたのではない。基本的にはtakayan氏とは違うアプローチで「瑞穂の感情を移入」していたことがわかった。それを「(常に)客体として鑑賞」と誤認識した理由は後述する。
この項ではtakayan氏が触れなかった可能性について考察してみたい。決してtakayan氏への反論とか、誤りを指摘するというような趣旨ではないことを予めお断りしておく。
さて、takayan氏の説に関して再プレイする前から感じていた疑問点は、物語を進行していくうちにより大きくなっていった。疑問点(というか違和感と言った方が正解かもしれない)というのはこれだ。
「プレイヤーは、無理をしてでも主人公に感情移入する(中略)か、または「おとボク時空」にはいりこむことなく、はるか遠い空から《冷めた目で》主人公とヒロインとの関係を眺めるか、どちらかを選ぶしかない」と断じていること
結論自体は確かにそうだろう。しかし、管理人はここで言う「感情移入」ということの定義について、彼我の考え方に差があるのではないかと思うようになった。それはつまり、「自分自身が物語中の瑞穂になって、あくまで自分自身として行動すること(=自分自身の感情を瑞穂に移入)」なのか、「瑞穂自身を自分の中に取り込んで、あくまで瑞穂ならどうするかという視点で行動する(=瑞穂の感情を自分自身に移入)」なのか、ということだ。
takayan氏はその説の中で『主人公の視点を獲得したプレイヤーは、ヒロインからの「想い」のボールがどんなものであれ、とにかく自分でありのままに受け取らなければ物語が先に進まない』のであり、また『「主人公がどのようにして(《攻略》対象)ヒロインを好きになっていったのかがはっきり語られていない」ことは決して問題にはなりません。むしろ、自分のもとに《白馬の王女さま》がやってきたことを喜び、そして向こうから手をさしのべてくれることを心地よく思うようになっていきます』と述べておられるが、これらはいずれもそのスタンスが前者であることが説明できる証左であろう(日本語としても「主人公に感情移入」と言っている以上前者と解するのが自然だ)。なぜなら、後者の視点を取った場合、あくまで受動的でヒロインからの働きかけが唯一のシナリオ進行の原動力であるなら、瑞穂の行動は一定のものでならなければならず(=瑞穂の思考が複数存在するはずがない)、そこにプレイヤー自身の意図を働かせ(=プレイヤー自身として行動するので)なければいつまでも2人目のヒロインを攻略することなど不可能であるからだ。
逆に、管理人が前者の可能性に気づいたのはこのゲームをやり直してみてからだ。管理人は後者の立場をはじめから取っていたため、後者の立場を取ることによる不可能さが不可解なものとしてしか思えなかった。管理人がtakayan氏に出したメール中の
『瑞穂視点を獲得できた(=瑞穂になりきった自分が存在するという仮定)とした場合にマルチエンディングの構造、しかもその選択肢は自らコントロールできない状況にある中で、どうやってその「シナリオ」と「自分自身となった主人公」との整合性を取っていくのか』
という疑問はまさにこのことを指している。
このゲームを管理人が気に入っている(敢えて「高く評価」などとは言わない)のはまさにtakayan氏が仰る「その世界観、その雰囲気、そして全体に漂う優しさ」であることは明白だ。その「優しさ」の象徴である主人公「瑞穂」に共感し(敢えて「萌」とは言わない)、憧憬を抱き、自ら瑞穂になりたいと強く思うようになる、というところまではおそらく管理人とtakayan氏とは同じ道だろう。しかし、管理人の場合は瑞穂に自分自身を移入させることを極力避けた。なぜなら瑞穂の姿形、声はそうであっても、「プレーヤー自身の意志」を移入した段階で、それは既に瑞穂ではないからだ。完璧なスペックは言うまでもなく、瑞穂と全く同じ人間性、思考、優しさその他の「瑞穂の意志」のすばらしさが自分に備わっているとは考えられない。瑞穂が瑞穂でなくなる瞬間(あるいは自分自身を投影した瑞穂に萌えるというナルシシズム)、それは管理人には耐えられない世界観の崩壊だ。だから管理人が後者の道、すなわち自分自身に瑞穂の感情を移入させる道を選んだのは自然な成り行きである。
それでは後者をとった管理人はどのように物語を継続していったのか? それは「瑞穂の意志を十分に汲んだ上で」「一旦瑞穂を自分自身から解放し」「自らが進みたいシナリオを目指すために」選択肢を選ばざるを得ないことになる。(このことが冒頭の「(常に)客体として瑞穂を見ている」という誤認識につながったのだと考えられる)
さて、ここで瑞穂を極力解放する事態を回避するため、最初に抱いた疑問に立ち返ることになる。
選択肢の第一優先はあくまで「瑞穂ならどうするか」だ。そのためには、「瑞穂自身がこの状況で誰を好きになっていくのか」を理解しなくてはならない。しかも、あるヒロインからアプローチを受けるなど同一の状況下で、違うシナリオに向かうため別の行動を選択するには「ヒロインからの働きかけ」のみでは動機が不足しすぎる。まさに「瑞穂はどういった過程で、あるいはどういう理由で、攻略対象ヒロインに特別な感情を抱くようになったのか?」ということが説明されてほしい、という瞬間である。
例えその選択肢の選択時期には間に合わなかったとしても、結果的にプレイヤーが望むヒロインとの結末にならなかった場合に「ああ、そうだったのか」と納得できる(=瑞穂がそう思うのだったらしょうがない)ことになるはずだ。
ちなみに根本の疑問点の前提である「(通常のゲームにおいて)プレイヤーは直接主人公に感情移入するのではなく、主人公以外の同性(=男性)キャラに感情移入し(だからこのゲームは逃げ場がない)」という点についてもいささか疑問を禁じ得ないが(このゲームに女性ファンが少なくないことに矛盾するのではないかと考察する)、あまり重要ではないし本論とは外れるのでここでは論じない。
繰り返すが、管理人は畏敬するtakayan氏が取っているスタンスが正しくないなどと言うつもりは全くない(そもそも「見識」に異を唱えるというのは無意味であろう)し、より深い「萌」を獲得するためには不可欠なのだろう、とも考える。しかし、管理人は上記の理由からそのスタンスを取らなかった、あるいは取れなかった、それだけのことだ。
takayan氏も『このような批評(管理人注:主人公がヒロインに特別な感情を抱くに至った理由が希薄)は、「おとボク」の感想/レビューサイトでも多く見ることができる、きわめて一般的なプレイ後の感情のひとつです』と述べておられる通り、このことが管理人と同じスタンスを取るプレイヤーが他にいることの根拠ではないとしても、その説明が充実されれば更により多くのプレイヤーの心をつかめるのではないかということを感じて残念でならない。
<2008/6/17追記>
プロモーションビデオを見返していたら、ロングスカートではないお姉さまの貴重なお姿を発見。(画像クリックで拡大ですが粗いです)
本編ではついに出てこなかったが、設定としてはあったのかも・・・
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公式サイトはこちら→「キャラメルBOX:処女はお姉さまに恋してるトップ」
※そもそも「処女はお姉さまに恋してる(おとボク)」って何だ?という方は「まとめサイト」の中の「おとボクってどんな話?」を読んでいただくと理解が早いかもしれません(膨大ですが)。
非常に優しさにあふれたストーリーだ。「(攻略が)容易しい」ではない。主人公(瑞穂)の思想やヒロイン達の行動もそうだし、何より悪人が出てこない(一部の典型化された犯罪者を除いて)。最初は敵役として登場する貴子でさえ、最後には奏に「会長さんのようになりたいのですよ~」とまで言われる存在になる。まるで昔良く読んだ石坂洋次郎の小説の世界のようだ。またいわゆる「泣きゲー」に分類されるものではないが、泣きの要素も適度に織り交ぜられており、味わい深い場面も多い。18禁ゲームであるが故に偏見に晒されて、その内容全体が評価されない向きがあることは非常に残念だ。
管理人自身はファンタジーというものに寛容だと思っている。ファンタジーであるゆえ、設定がいかに荒唐無稽であろうが、あり得ない話であろうが、あらゆることが「奇跡」で片付けられていようが、そんなことはあまり重要ではない。話を進める上で必要であれば使えばいい。「このゲームはご都合主義ですから・・・」と紫苑のセリフで言わせているように、そういったことは制作の前提として話が進んでいく。そこまでは問題ないと思う。
ただ、管理人がこのゲームを進行していて一番疑問に感じたのは、「瑞穂はどういった過程で、あるいはどういう理由で、攻略対象ヒロインに特別な感情を抱くようになったのか?」ということだ。個別シナリオに入ったとたん、それが全く説明もなく前提となって話が進行するため、非常に違和感となってしまうのだ。
瑞穂はある意味八方美人キャラであり、周囲のほぼすべてから憧憬の対象となると同時に、自分も周囲に対して平等に公平に優しさを与える存在である。それだけに、そこの部分から抜け出すためにはある程度の理由付けが必要だと思うのだが、その説明が管理人にはほとんど皆無のように感じた。逆にヒロインの感情についてはある程度説明されていて、対照的だ。
普通のギャルゲーであれば主人公はプレイヤーと一体であり、プレイヤーが攻略しようとしてるキャラである以上、そのヒロインに対する感情の高まりというのは省略されてもやむを得ない、とも言える。しかしこのゲームの場合は(特にフルボイス版で顕著)主人公である瑞穂もプレイヤーにとって客体であり、映画やアニメのような受け取り方で鑑賞してしまうため、そう感じてしまうのかもしれない。
この手のゲームはBGMも重要なファクターだと思っているが、管理人は気に入っている。特に「丘の上の散策」「クリスタル・サイレンス」をはじめとした日常曲の出来がいいので、プレイしていてストレスがない。(「AIR」をプレイしていたときに最も頻繁にかかる日常曲「野道」がどうしても感覚に合わず、それが管理人の「AIR」への評価を下げてしまっている原因の一つだ)
ヒロインのテーマにしても、「微笑の肖像(紫苑)」「エメラルドの風(貴子)」の2曲はこのゲームの世界観をうまく表現していて非常に好ましい。Hシーン専用曲(笑)の「夢の中で…」もゆったりとした旋律で、花を背負いながら行為に及んでいるような(笑)、イヤらしさを極力排除したいという意図を感じて好印象だ(「止め」を多用したトライアングルの使い方だけが「?」)。
残念なのは「顔」ともいえるオープニングテーマ曲「You make my day ! 」だ。オルゴールバージョンを聞く限りメロディラインそのものはそんなに低い評価ではないのだが、アレンジが・・・。金管といい、Eギターソロといい、シンセドラムといい、奇妙なエフェクトといい、どうも余計な演出というか、いかにも「エロゲーのオープニングでござい」という風にしか感じられない造りがせっかくの雰囲気をを壊しているようで残念だ。「マリみて」の世界観を期待し、意を決してプレイしようとした人たちの中には、この部分で引いてしまう人も出て来るのでは、と余計な心配をしてしまう。
ただなんとなくアレンジ全般が古くさいと感じるのも事実だ。何となく90年代的というか、同人作品的というか、あるいは30年以上前にNHKで放映していた「レッツゴー・ヤング」という番組の妙に若者に迎合する姿勢に通じるものがあるというか・・・。適当な表現が見つからないのでややひどいことを書いてしまっているが、総合的には相当高い評価をしているということをご理解いただきたい。
余談だが、ゲームのおまけ「音楽鑑賞」では、収録されているにもかかわらず聞けない曲が3曲存在する。予告編の大半で使われている「どうなっちゃうの?」と、降誕祭ダンスパーティの中で使用されている「宝石のワルツ 作品418 ワルツNo.2(この曲はヨハン・シュトラウス(子)の喜歌劇「ジプシー男爵」の一節である)」、それからサントラCDにも収録されおらず曲名すら不明のピアノソロ曲である。ちなみにどうして知っているかは内緒だ(笑)。
ものはついでと、原作シナリオライター自身が書いた外伝「櫻の園のエトワール」(エンターブレイン/ファミ通文庫)も読了。公式サイトの紹介ページを読むと「横柄でがさつな新入生が大暴れして周防院奏カワイソスとなる展開」のようで心配したが、そんなことにはならないのが「おとボク」クオリティだ。原作をやってみた方なら必読の書であろう。
最後に、この作品の世界観を端的に表していると思われるセリフを「櫻の園のエトワール」から引用。
「ここではきっと、みんながこの紅茶の分だけ優しさを大切にしている。大切にしていることを、誰も莫迦にしたりしない・・・・・・その違いだと思うのですよ」(奏)
「薫子ちゃん、『知性と品性』っていうのは、『頭の良さと品の良さ』って意味じゃありませんよ?」(初音)
いや・・・いいですねえ!(笑)
<2008/3/11補記>
何気なく3/10深夜にまとめサイトのチャットルームをのぞいてみたら、主宰者takayan氏からコメントをいただきました。このようなブログまでご覧いただいているとはありがたいことです。この件(視点の差による受け取り方の差違)については別稿にて考察したいと思っております。
<2008/3/12補記>
当初、上記補記内に誤解を招く点がありましたので、takayan氏にお詫びすると同時に修正しました。
<2008/3/18補記>
「考察」をアップしました。
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CLANNADを終了した。ええ、泣きましたとも。それももう、ボロボロと。特にAfter Storyの汐シナリオで。これを見てしまうとTrue Endは何かオマケのような気がするのは管理人だけだろうか。いや、基本的にはハッピーエンドで終わって欲しいんですけどね。ただ、完成度が違うというか・・・。結局、幻想世界にいる「たったひとりの女の子」は渚だったのか汐だったのか良くわかりません。汐シナリオでは「パパ・・・」と呼びかけているから汐のような気もするし、タイトル画面において集めた光が変わった姿は渚のようでもあるし、何にしても集めた光があったからこそ渚は命を永らえたのだろうし・・・。うーむ。
それにしても、管理人の中においてベストキャラは何つっても早苗さんですね。こんな人、現実世界にはいないでしょう。早苗さんの攻略シナリオがないのがちょっと残念。ってあるわけないか・・・。

攻略できるキャラのなかでは、管理人のお気に入りは杏だ。テーマ曲「それは風のように」が気に入ったからというのもある。もっともリアルワールドだったとしたらこんな危険なキャラとはあまり関わりたくないとも思うが、登場人物の中での存在感はダントツだ。
これでKeyの作品はAIR→Kanon→CLANNADとプレイしてきたが、泣きの度合いもこの順序で破壊力が増してきたように思う。現在放映中のアニメ版はあと7話、これだけ膨大なシナリオを基に、どう収まりをつけるのか見物だ。このペースだとこの2クールは学園編で終了、続編でAfter Storyを2クールというのが落としどころだと思うのだが、はてさていかがなものか。
Keyの「CLANNAD」がフルボイスで新発売だそうな。
http://61.199.33.219/games/info/visual/key/clannad_fv/index2.html
ついこの間、初回版中古を↑より高い値段で購入したばっかだというのに・・・
もっと早く告知してくれよ>Key
これをさらに中古でたたき売って、フルボイス版を買うかどうか、思案のしどころ。
聞きたい声は中原麻衣だけだから、たぶん、買わないけどね、たぶん。うん。
KeyのHP上に、画像使用に関するガイドラインが存在したのを見落としていました。画像に関し関係者の皆様にお詫びして修正するとともに、注意書きを追加します。
このページでは一部、Key Official HomePageの画像素材を使用しています。
また、これらの素材を他へ転載することを禁じます。 (11/7補記)
空気プレイ(何だそれは)ではない。泣きゲーの名作として、この手のRPGとしては破格(?)の10万本を売ったとされる「AIR」(Key/ビジュアルアーツ)のことである。

空を飛ぶ(笑)神尾観鈴。ほらそこのあなた、下から覗いてはいけませんよ(爆)
いろいろな人のご意見を参考に、TVアニメ版→劇場版と鑑賞して、ついにゲーム(Standard Edition)にたどり着いた。まだどのシナリオもコンプリートしていないので、今よりさらにこのブログの更新が滞りそうなのが心配だ。
それにしても、ゲーム本体、劇場版、TVアニメ版で変わらず採用されたオープニングテーマ「鳥の詩」は秀逸だ。劇判音楽は、音楽だけで聞くときと画面がついている時の印象が普通は違っていて、どちらかが良いともう一方が良くないと言うものが多いが、この曲は音楽だけで聴いても良いし、画面がついていればなお良さが引き立つという滅多にない例である。私としてもオープニングテーマを飛ばさずに毎回見ていたアニメは初めてだ。
それ以外でも特に音楽のレベルが高いと感じる。とりあえず感想(批評ではない)はおいおいということで・・・。
アニメ版「D.C.」と「D.C.S.S.」を見て七尾奈留のキャラクター作りに感銘し、いまさらではあるが、原作たるゲーム「D.C.P.C.」をやってみた。
購入したのが2月の下旬で、まさにゲームシナリオの暦通りの季節感となった。最初はセーブしたときの日付がリアルのものなのかゲーム上のものなのかわからなかったほどだ。
このソフトはゲーム性はほとんどなく、私は「電子紙芝居」と勝手に名付けている。それくらいシナリオにプレイヤーが関与する余地がないし、動画でもないのだ。
シナリオをコンプリートして一番強く感じたこと。
「エロは余計だ」
「エロゲーなのだからそういうシーンがなくてどうする」「コンシューマ版を買え」といろいろ言われそうだが、我が家にはPS2がないし、そもそもPCでプレイしたい。PC版にはコンシューマシナリオの商品がないのだ。選択肢は限られている。
このゲームは「こそばゆい恋愛アドベンチャー」がテーマではなかったのか?
関係を持つことが話の進行に深く関わっているのか?
二つ目の答えは「否」である。頼子シナリオに至っては、エンディングを迎えてから付け足したようにそういうシーンが出てくるほどだ。
誤解のないように付け加えておくと、このソフトが糞だといっている訳ではないし、むしろ好ましく思っている。細かい台本の作りは別としてプロットはすばらしいとも思っている。それだけにエロシーンの余分感が残念である。
さて一つの謎。立ち絵があって主人公と関係を持たない登場人物は佐伯加奈子(みっくん)、森川智子(ともちゃん)、白河さやか、霧羽明日美の4名だが(杉並と暦先生を除く)、エンディング(エンドロールではない)の声の出演で、霧羽明日美の名前だけが表示されているのはなぜ? どなたかおわかりの方、ぜひご教示いただきたい。
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